BGMが必要だ


トレインスポッティングのオープニングでユアンマクレガーが疾走しているシーンが大好きで、そこで流れるイギーポップのLust For Lifeはもうたまらない。iPodから流れ出せば即座にボリュームを上げてしまう。
僕は自分を俯瞰視点からカメラで撮っている映像をよく思い浮かべていた。エレベーターに乗っている時なんかは、エレベータの防犯カメラの映像を思い浮かべる。もちろん足元ばかりのアングルだって想像した。
何年か前までは本気で急がなきゃいけない時、状況が深刻であればあるほど頭の中ではいつもLust For Lifeがなっていて、頭の片隅でカメラでの映像を想像した。その映像の中の僕は急げば急ぐほど、早ければ早いほどかっこよかった。その映像を完成させるために全力疾走し、自分の足音に意識を集中させ、車が過ぎ去る音を爆音で聞いていた。
高校の頃のつまらない授業中、ガクランなかをつたわせたイヤホンを袖から出して音楽を聴きながら、この風景が映像に残るのなら、どんなふうになるんだろうなんて事もよく考えた。僕が好きだったのは、正面から生徒の目と同じ位の高さでカメラをスライドさせて撮る映像。少しずつずれている机と生徒の姿、カメラがスライドする事で段々後ろまで見えていく。
天井からの俯瞰視点。魚眼レンズ的な映像で、先生が上のほうで動いてる映像なんかも良く想像した。カメラを設置する位置を、完全な中央にしたほうがいいか、少し後ろにしたほうがカッコいいかなんて事に悩んで時間を潰してた。
教室の授業風景からPV的になるところなんて定番だった。さっきまで皆がまじめに勉強していた教室がいきなり無人になり、一人現われ、誰もいなくなった教室の真ん中でギター一つで歌ってる。そいつを中心にカメラが回って教室全体が回っているような映像。だんだん楽器が(メンバーが)増えていく構成。ほんと定番。
僕は高速道路なんかを走るといつもターミネーター2の終盤にある、走る車から撮ったであろう、延々とセンターラインが過ぎ去っていくシーンを思い出す。センターラインの映像に、サラコナー(ジョンか?)の語りが入っているシーン。ターミネーター2は僕が初めて劇場で見た映画で、その時からあの映像が忘れられない。