俺はさ、こんなことが書きたいんじゃないんだ。俺がすきなのはさ、そう、切なくなるような話なんだ。10年前にやっていた、美少女Hって短編ドラマを知ってるかい?俺がしたいのは、まさにそれなんだよ。長々と分厚い文章を書いたなら、感動や、切なさなんかを与えられないわけがないんだ。長い文章にはそれを読んだ時間、作品とすごした時間という共感、達成感がついてくる。それはそれで気持ちいい感覚だけれども、そうじゃないんだ。それは本質じゃない。短い中に、鋭い切れ味。短編こそが技術の結晶だし、本当に面白いものには、長々とした時間なんか必要ないんだ。かといって自分にはそんなことできないし、できたとしても偶然の産物だったり、自分の人生を切り取っただけ。それももう、切り取りきった気がする。高校卒業式の日のことをいつかここに書いたけど、あんなことがかけるのは、僕の人生でもそれは美しい思い出だったからだし、そんなことは早々ないんだ。あの夜のことは本当に幸せだったし、今でも思い出しては切なくなる。青春ってやつなのか?俺にはもう、そんなことは起こらないのか?なんてことを考えるだけで切なくなる。
とにかく何か書きたいのさ。飲んだらいつもこうだ。これを書いていることを明日のおれは覚えているのだろうか。ワインはやばいな。そういえば10分前のことを忘れてしまう男の映画をいつか見たな。題名も忘れた。こんなことをしていて、結局何がしたいんだろう。明日これを読んだら、答えを行ってみてくれないか。