昔話-3

なんて声をかけたらいいのか分からなくて、僕は視線を奪われたまま固まっていたんだけど、このチャンスを逃すわけにはいかないって思い直してとりあえず名前を読んでみた。
「Uだよね?」
「え?あ、やっぱSさん?」
「おぉ。久しぶり。」
「そうじゃないかな〜とは思ってて、声かけようか迷ってた。ははっ」
彼女は僕の事を下の名前にさん付けで呼ぶ。中学の頃のままだった。
僕らは一通りの近況を話して別れる事に。
「Sさん携帯は?持ってる?」
その後、久々だったね〜びっくりしたよ。なんてメールを貰った。彼女はいつだって「久しぶり」ではなくて「久々」って言葉を選ぶ。
色んな事が、この日から始まった。