昔話-4

J-PHONEスカイメール
当時はたしか1通60文字くらいしか送れなかったんだけど、そんな制限されたメールがなによりの楽しみだった。特にこれといった存在意義を持っていなかった携帯電話がはっきりとそれを獲得し、僕のもっとも大事なものへと成り上がった。僕の生活の中心は、携帯電話に送られてくる彼女からのメールになっていた。
今も昔も、何かを書いて、その答えが返ってくるって事がすごく嬉しい。返事や反応をもらえるって事は幸せな事だと思う。
この頃は夜8時過ぎになるとサーバが混雑してなかなかメールの送受信ができなかった。まれに送信できても相手に届くのは何時間後だったりしたから、いろいろな事を一通のメールにできるだけ詰め込みたくて、毎回文字数制限のためにどの文章を削ろうか悩んでいた。この経験があるからか、メールに、伝えたいことを伝えたい構成で書ける事がすごく贅沢な事に感じる。
僕らは共通の趣味だった映画について色々と話をしているうちに、一緒に映画を観にいく事になったんだ。