僕は何も変えられない

やりきれない気分のまま熱いシャワーを浴び、動きやすいパンツとシャツを選んだ。外は寒いだろうからスウィングトップを引っ掛けて家を出る。コンビニで10万下ろし、ミックスサンドとブラックコーヒーを買った。小さなサイドテーブルにそれを置いてガス屋さんの到着を待つ。
ライ麦畑でつかまえてがもう少しで読み終わるのを思い出し、続きを読んでいた。前にこれを読んだのは、確か二十歳のころだったと思う。
「もし僕が君に何かを書いてやったら、君はていねいにそれを読んでくれるか?そしてそれをしまっておいてくれるか?」
着信。明日の8時に荷物が届くという連絡だった。サンドイッチを食べながら、冷たいコーヒーを飲み、ずっと本を読んでいた。こんな朝は久しぶりだな、なんて思いながら時折り外を見る。朝、大阪は曇り空だった。
「誰にもなんにも話さないほうがいいぜ。話せば、話に出てきた連中が現に身近にいないのが、物足りなくなって来るんだから。」
やめようかな、なんてわりと結構な頻度で思ったりもするんだけど、やっぱり、自分の事だけでも、書き続ける場を残しておこうと思ってます。
僕がホールデンの友達だったら--友達だと思われるのかどうかわからないけどさ--別れ際、やっぱり「幸運を祈るよ」なんて言うんじゃないかな。きっと僕はそう言う奴なんだろうと思う。
それにしてもiTuneの選曲が冴えている。これはもう相棒だ。