桜の話

週末からの雨で桜が散った。道路は桜の花でずいぶんきれいだったけど、今週末の花見はただの外飲みになりそうだ。
でも、今年の桜はもういいや。十分、 満足。
昨日、散った桜を踏みつけながらそんな事を考えていると、僕は前にも同じ事を思ったことがあるのを思い出しました。
僕らが高校を卒業してから桜が咲いて、僕はすでに大阪に出てきてしまっていたから、その年は地元の桜が見られませんでした。僕の実家の近くには堤の公園があって、毎年花見の客で賑わいます。その公園に続く坂を上りきったところ、まだ公園の敷地の手前の山肌に、桜が生えています。オレンジ色に光る外灯の上に、覆い被さるように咲いている桜。見事な桜で、僕が一番好きな桜の木。夜、この外灯にひが灯り、それに照らされている桜が本当に綺麗で。
長期休みになると僕は完全に昼夜逆転した生活を送っていて、深夜に出歩き、朝帰ってきては眠り始めるような生活をしていました。深夜、誰もいない道を歩くのが大好きで、中でも好きだったのが、春休みのこの桜に続く道。毎日のように見に行って、綺麗だなぁって思ってた。
高校が終わって、本当に数少ない友達からも離れ、期待に裏切られた大阪に一人でいる時、この桜の話をした事がある女の子が「綺麗だったよ」ってメールをくれました。
その時にも僕は 今年の桜はもういいや って思ったんです。